「自分が亡くなった後、家族にはどのくらいのお金が必要になるのだろう」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

死後にかかる費用は葬儀代だけではありません。病院や介護施設の費用精算、火葬、納骨、遺品整理、各種手続きなど、さまざまな支出が発生します。

死後、銀行に資産を凍結され、残された方が立替えても、亡くなった方の資産が無く返金してもらえないケースが増えてきています。

事前に必要な費用を知り、準備を進めておくことで、残された方の負担を大きく減らすことができます。
この記事では、高齢者の方にも分かりやすく、死後にかかる主な費用とその相場について解説します。

死後にかかる費用の全体像

死後に発生する主な8つの費用

人が亡くなった後には、葬儀費用以外にも多くの費用が発生します。代表的なものとして、①入院費や医療費の精算、②介護用品や施設利用料の精算、③葬儀費用、④火葬費用、⑤納骨や法要費用、⑥お墓や永代供養費用、⑦遺品整理費用、⑧死後事務や各種手続き費用があります。

特に高齢者の場合は、病院や介護施設を利用しているケースが多く、亡くなった後に最終月の利用料や未払い金の支払いが必要になることがあります。また、賃貸住宅に住んでいる方は退去費用や家財処分費用が発生することもあります。

これらの費用は短期間に集中して発生するため、残された方にとって大きな負担となります。だからこそ、生前からどのような費用が発生するのかを知り、備えておくことが大切です。

死後費用の総額はどのくらい?

死後にかかる費用の総額は、選択する葬儀や供養の方法によって異なりますが、おおよそ50万円から300万円以上になることがあります。

例えば直葬を選択し、お墓を持たず永代供養を利用する場合は比較的費用を抑えることができます。一方で、一般的な家族葬やお墓の建立を行う場合には100万円から300万円程度になることも珍しくありません。

また、入院費や施設利用料の精算、遺品整理費用などは葬儀費用とは別に必要となります。そのため、「葬儀代だけ準備しておけば大丈夫」と考えるのではなく、死後に必要となる費用全体を考えておくことが重要です。

実際にかかる費用のシミュレーション

老人ホームには入所しておらず、1ヵ月入院(総額15万円)してから亡くなり、直葬(25万円)、市営霊園に永代供養(5万円)、アパートを退去するために賃貸費(5万円)や遺品整理(15万円)を支払い、未払い税金、電話代、各種契約費(5万円)を支払う場合は・・・

合計 70万円 支出することになります。

持ち家の解体費用や墓じまいが必要な場合など、この金額以上に費用が発生することもあります。
かんき行政書士事務所では、死後事務の相談があった場合、発生するであろう費用を個別に計算しています。

葬儀・火葬にかかる費用

直葬・家族葬など葬儀費用の相場

葬儀費用は死後に発生する支出の中でも大きな割合を占めます。近年増えている直葬(火葬式)の場合、費用相場は15万円から40万円程度です。通夜や告別式を行わず火葬のみを行うため、比較的費用を抑えられます。

一方、家族葬の場合は50万円から150万円程度が一般的です。参列者数や祭壇の規模によって費用は大きく変わります。

近年は「家族に迷惑をかけたくない」「できるだけ費用を抑えたい」と考え、直葬や小規模な家族葬を希望する方が増えています。どのような葬儀を希望するかを事前に家族へ伝えておくことで、亡くなった後の家族の負担を軽減することができます。

火葬や安置にかかる費用

火葬は法律上必要な手続きです。自治体の火葬場を利用する場合は数千円から数万円程度が一般的ですが、地域によって差があります。

また、亡くなってから火葬までの間は安置が必要です。安置施設利用料やドライアイス代が発生し、火葬場の予約状況によっては数日分の費用が必要になることもあります。

葬儀社の見積もりを見る際には、火葬費用や安置費用が含まれているかを確認することが大切です。広告に記載された金額だけで判断すると、後から追加費用が発生することもあるため注意しましょう。

納骨・法要・お墓にかかる費用

火葬後には納骨や法要を行うことが一般的です。四十九日法要や一周忌法要では、お布施や会食費が必要になることがあります。

また、お墓を新しく建立する場合は墓石代や永代使用料が発生し、総額で100万円以上かかることもあります。そのため近年は、永代供養墓や樹木葬を選択する方も増えています。

墓じまいにかかる費用は、一般的に30万円~150万円程度が目安です。ただし、お墓の大きさや立地、改葬先(遺骨の移転先)によって大きく変わります。

供養の方法は家庭ごとに異なりますが、事前に自分の希望を家族へ伝えておくことで、家族の精神的・経済的負担を減らすことにつながります。

病院・施設の精算と供養にかかる費用

入院費や介護施設利用料の清算

病院や介護施設への支払いは、死後に発生する費用として見落とされがちです。しかし、亡くなった月の医療費や施設利用料は精算しなければなりません。

また、自宅で亡くなった場合や、かかりつけ医がいない状況で亡くなった場合などには、医師による検案が必要となり、死体検案書が作成されます。この費用は数万円程度かかることもあります。

そして、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、居室の片付け費用や原状回復費用が発生することもあります。契約内容によっては退去時の費用負担が定められている場合もあります。

ご家族が急な請求に困らないよう、利用している施設の契約内容を確認しておくことが大切です。身寄りが少ない方は、誰が支払い手続きを行うのかについても考えておく必要があります。

遺品整理と死後の手続き費用

遺品整理や家財処分の費用

遺品整理は想像以上に時間と費用がかかる作業です。荷物が多い場合や遠方に住む家族が対応する場合には、専門業者へ依頼することも少なくありません。

費用は部屋の広さや荷物量によりますが、数万円から数十万円程度が一般的です。賃貸住宅では退去期限があるため、急いで整理しなければならないケースもあります。

遺品整理にかかる費用をイメージしにくい方は、引っ越しを思い浮かべてみてください。引っ越しは荷物を運ぶだけでも数万円以上かかることがあります。

遺品整理では、それに加えて荷物の仕分けや梱包、不用品の処分、部屋の片付けなども必要になります。そのため、荷物の量によっては想像以上の費用がかかることが分かります。

残された方に負担を残さないためにも、生前整理を進めておくことが大切です。

生前整理を行い、不要な物を減らしておくことで、遺品整理の負担や費用を大きく軽減できます。終活の一環として取り組むことをおすすめします。

死後事務や各種手続きの費用

亡くなった後には、死亡届の提出、年金停止、健康保険証の返却、公共料金や携帯電話の解約など、多くの手続きが必要になります。

家族が対応できる場合は問題ありませんが、身寄りがない方や家族が遠方に住んでいる場合は対応が難しいこともあります。そのため近年は死後事務委任契約を利用する方が増えています。

死後事務を専門家へ依頼しておくことで、自分の希望に沿った対応を実現しやすくなり、残された家族や関係者の負担を減らすことができます。

死後費用の準備に不安がある方へ

かんき行政書士事務所へご相談ください

かんき行政書士事務所では、死後事務委任契約をはじめ、見守り契約や任意後見契約など、高齢者の安心した暮らしを支えるサポートを行っています。ご本人の希望を整理し、将来必要となる手続きや費用について一緒に考えることが可能です。

本記事は、死後にかかる費用を理解するための参考資料としてご活用ください。そして、ご自身の場合にはどのような備えが必要なのかを確認するためにも、ぜひかんき行政書士事務所へお気軽にご相談ください。将来の不安を減らし、安心して毎日を過ごすためのお手伝いをいたします。